fc2ブログ

記事一覧

もののあはれを知る

急に朝晩が寒くなりましたね。
店内にも秋らしさが見られます。

fc2blog_20231004224813f97.jpg

お客さまにいただいた、ツルウメモドキ

fc2blog_20231004224653ddc.jpg

自宅から持ってきた吾亦紅。

fc2blog_20231004225409b44.jpg

日が暮れるのが早くなったことで、夏には使うことのない、入り口のライトに照らされた南天の葉の影。

太陽に顔をむけていた向日葵が疲れを見せ、虫の音が鳴り響き、夕暮れがより一層美しさを増し、羽織りが必要になり、樹々の葉が落ち始める。
四季を感じる、日常のささいなことに見られる「情緒」というものは、秋が最も活発である。

南天の葉の影を見ながら、そんなことを思いました。


紀貫之が古今和歌集「仮名序」にて、

「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。
世の中にある人、事、業、繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。

花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。
力をも入れずして天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神(おにかみ)をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、猛き武士もののふの心をも慰むるは、歌なり。」



和歌は、人の心をもとにして、様々な言葉となったものである。
世の中に生きている人は、関わりあう事柄が沢山あって、それに対して思うことを、見るものや聞くものに託して、歌にしている。

梅の花で鳴く鶯や、水に棲む蛙の声、この世に生を受けたものすべて、歌を詠まないなどということがあろうか。
力をも入れずに天地(神々)を動かし、目に見えない鬼神をもしみじみとした思いにふけらせ、男女の仲をも親しくさせ、勇猛な武士の心をも和ませるものは、歌なのである。


ちなみに古語研究に打ち込んで、『古事記』の研究に勤しんだ本居宣長は、「もののあはれを知る」ことは、人の心を知ること、そのことこそが、人生において大切であると残しています。

小さなことに気づくことができると、感動し、心が豊かになります。
そして、人の心にも繊細に寄り添えたら、巡り巡って、またそういった温かい心が還ってくる気がします。


敷島の やまとごゝろを 人とはゞ 朝日にゝほふ 山ざくら花

大和心とは何かと人に問われたら、こう答えるであろう。山奥にひっそりと咲く山桜が、朝日に照らされて輝く様を見て、その麗しさに感動する心であると。
 
 
 
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
 
 
埼玉県熊谷市別府5-80-3  
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日
 
 
 
にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 熊谷情報へ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

プロフィール

Riyon

Author:Riyon
埼玉県熊谷市。籠原駅から徒歩15分ほど、公園のめぐりにある、珈琲豆と器とお洋服の、小さな小さなセレクトショップ、Riyonです。
Open 11:00~18:00 日/月曜/祝日はおやすみです。  

記事カテゴリ【月別】