中之条ビエンナーレ。その2
- 2023/09/18
- 17:53
イサマムラを出て、すぐ近くの伊参スタジオへ。

ご無沙汰しております。
2年ぶりにお会いできたジェット二宮金次郎。
文字通りぶっ飛んでます。こういうの、好きです。

廃校となっていた旧町立第四中学校。
映画の撮影拠点となり、古びた木造校舎は「伊参スタジオ」と名付けられました。
屋内の窓から覗く景色は、間違いなく現代のものであるのに、なぜか何十年も前の映画の世界に見えるから不思議です。

天井からぶら下げられた無数の升の底には、あらゆる写真が貼ってありました。
「あの時、一緒にいられたら。2020-2023」
中村 美香
コロナ禍。
会いたい人に会えない、日々。
一緒に行きたかった。一緒に見たかった。一緒に食べたかった。
公式HP、作者の解説から引用します。
「枡は昔、食料や貨幣として貴重だった米を測る道具である。
ここ伊参は、美しい棚田の風景が広がる。この風光明媚な地で、当時の貴重な米に代わって、世界中の人々の「大切な想い」を枡に詰めた。
地球を模した不完全な球体状の作品は、世界中の人々と共有したい「想い」や、共有したかった壊れやすい繋がりを象徴すると共に、未曾有の渦中での人々の『生』や『死』の記録でもある。」

これ、何に見えますか?
「内なる家」
山口 信哉
雲の形が、ひとそれぞれ違うように見えるように、アートも人それぞれ、見えるものや感じることは違います。
また、情報によって、それらは変化します。
「アメジストみたい」と聞こえてきたその作品を覗き込むと、何重にもぶら下がっている和紙に、人型のようなくり抜きがあり、立体的にも見えるし、いくつも存在するようにも見えます。
タイトルに「家」とついていたので、私には人に見えましたが、読んでいなければ、違うものに見えるのです。あるいは、読んでいても、別のなにかに感じるかもしれません。
アートが持つ可能性の大きさを感じます。
和紙の両脇に、金属管が2本ぶら下がっており、近くに棒もありました。管を叩くと、音が鳴り響きました。
大人が小さく話す声や、子供の笑い声。スリッパの音、写真を撮る音。
あらゆる音は生活によくある音で、それはこの空間に馴染んでいるのに、この金属の管に、近くにいた人は耳をすませました。
その音が収まるまでの空間もまた、面白いと感じました。
私も皆も、何かを感じようとしているのです。
後で調べたことですが、作者の山口氏の活動に、「30 年以上にわたり、金属は山口の主な活動分野でした。 彼は鉄の彫刻でアーティストとしてのキャリアを開始し、金属製の楽器の制作に移行し、近年では 2 つを組み合わせて形、物質、音の親和性を探求し始めています」とありました。また、「アーティストとしてのキャリアを通じて「家」の意味に心を奪われてきました」とも。
今思うと、作品の端に吊られていた金属管は、家の壁だったのかもしれません。
家族の生活音のこだまです。

「What’s Your Name?」
S+N laboratory
家の中を覗くと、好きな色で自分がここに来た証を残せるようになっていました。
オフラインでありながら、誰かとつながることのできる家です。

「時層を綴る」
嘉 春佳
誰かが着ていた洋服に、また他の誰かが着ていた服の一部を縫い付けてあるらしい。
それぞれの生活、それぞれの時間の重なりが感じられて、ただの物体でありながら、尊重し、紡いでゆくという行為に特別な何かが感じられる気がします。

「轟々と流れる」
春田 美咲

鮮やかな布の裏側には、茶色をベースとした布が。
色鮮やかで、のどかな田園風景が広がるこの中之条に、豪雨が襲ってきたときの様子が表現されています。
ここに書いていることは、公式の説明にない限り、私の主観に過ぎませんが、他の誰かが見れば、また違うものに見えるはずです。
まだ日にちはありますから、ご興味ある方は、是非直接ご覧になることをオススメします。
公共交通機関ですと大変だと思うので、できればお車で行かれるといいですよ。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

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ご無沙汰しております。
2年ぶりにお会いできたジェット二宮金次郎。
文字通りぶっ飛んでます。こういうの、好きです。

廃校となっていた旧町立第四中学校。
映画の撮影拠点となり、古びた木造校舎は「伊参スタジオ」と名付けられました。
屋内の窓から覗く景色は、間違いなく現代のものであるのに、なぜか何十年も前の映画の世界に見えるから不思議です。

天井からぶら下げられた無数の升の底には、あらゆる写真が貼ってありました。
「あの時、一緒にいられたら。2020-2023」
中村 美香
コロナ禍。
会いたい人に会えない、日々。
一緒に行きたかった。一緒に見たかった。一緒に食べたかった。
公式HP、作者の解説から引用します。
「枡は昔、食料や貨幣として貴重だった米を測る道具である。
ここ伊参は、美しい棚田の風景が広がる。この風光明媚な地で、当時の貴重な米に代わって、世界中の人々の「大切な想い」を枡に詰めた。
地球を模した不完全な球体状の作品は、世界中の人々と共有したい「想い」や、共有したかった壊れやすい繋がりを象徴すると共に、未曾有の渦中での人々の『生』や『死』の記録でもある。」

これ、何に見えますか?
「内なる家」
山口 信哉
雲の形が、ひとそれぞれ違うように見えるように、アートも人それぞれ、見えるものや感じることは違います。
また、情報によって、それらは変化します。
「アメジストみたい」と聞こえてきたその作品を覗き込むと、何重にもぶら下がっている和紙に、人型のようなくり抜きがあり、立体的にも見えるし、いくつも存在するようにも見えます。
タイトルに「家」とついていたので、私には人に見えましたが、読んでいなければ、違うものに見えるのです。あるいは、読んでいても、別のなにかに感じるかもしれません。
アートが持つ可能性の大きさを感じます。
和紙の両脇に、金属管が2本ぶら下がっており、近くに棒もありました。管を叩くと、音が鳴り響きました。
大人が小さく話す声や、子供の笑い声。スリッパの音、写真を撮る音。
あらゆる音は生活によくある音で、それはこの空間に馴染んでいるのに、この金属の管に、近くにいた人は耳をすませました。
その音が収まるまでの空間もまた、面白いと感じました。
私も皆も、何かを感じようとしているのです。
後で調べたことですが、作者の山口氏の活動に、「30 年以上にわたり、金属は山口の主な活動分野でした。 彼は鉄の彫刻でアーティストとしてのキャリアを開始し、金属製の楽器の制作に移行し、近年では 2 つを組み合わせて形、物質、音の親和性を探求し始めています」とありました。また、「アーティストとしてのキャリアを通じて「家」の意味に心を奪われてきました」とも。
今思うと、作品の端に吊られていた金属管は、家の壁だったのかもしれません。
家族の生活音のこだまです。

「What’s Your Name?」
S+N laboratory
家の中を覗くと、好きな色で自分がここに来た証を残せるようになっていました。
オフラインでありながら、誰かとつながることのできる家です。

「時層を綴る」
嘉 春佳
誰かが着ていた洋服に、また他の誰かが着ていた服の一部を縫い付けてあるらしい。
それぞれの生活、それぞれの時間の重なりが感じられて、ただの物体でありながら、尊重し、紡いでゆくという行為に特別な何かが感じられる気がします。

「轟々と流れる」
春田 美咲

鮮やかな布の裏側には、茶色をベースとした布が。
色鮮やかで、のどかな田園風景が広がるこの中之条に、豪雨が襲ってきたときの様子が表現されています。
ここに書いていることは、公式の説明にない限り、私の主観に過ぎませんが、他の誰かが見れば、また違うものに見えるはずです。
まだ日にちはありますから、ご興味ある方は、是非直接ご覧になることをオススメします。
公共交通機関ですと大変だと思うので、できればお車で行かれるといいですよ。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

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