fc2ブログ

記事一覧

中之条ビエンナーレ。その2

イサマムラを出て、すぐ近くの伊参スタジオへ。

fc2blog_20230918155742e0f.jpg

ご無沙汰しております。
2年ぶりにお会いできたジェット二宮金次郎。

文字通りぶっ飛んでます。こういうの、好きです。

fc2blog_20230918155816457.jpg

廃校となっていた旧町立第四中学校。
映画の撮影拠点となり、古びた木造校舎は「伊参スタジオ」と名付けられました。

屋内の窓から覗く景色は、間違いなく現代のものであるのに、なぜか何十年も前の映画の世界に見えるから不思議です。

fc2blog_20230918160246886.jpg

天井からぶら下げられた無数の升の底には、あらゆる写真が貼ってありました。

「あの時、一緒にいられたら。2020-2023」
中村  美香

コロナ禍。
会いたい人に会えない、日々。
一緒に行きたかった。一緒に見たかった。一緒に食べたかった。


公式HP、作者の解説から引用します。
「枡は昔、食料や貨幣として貴重だった米を測る道具である。
ここ伊参は、美しい棚田の風景が広がる。この風光明媚な地で、当時の貴重な米に代わって、世界中の人々の「大切な想い」を枡に詰めた。
地球を模した不完全な球体状の作品は、世界中の人々と共有したい「想い」や、共有したかった壊れやすい繋がりを象徴すると共に、未曾有の渦中での人々の『生』や『死』の記録でもある。」

fc2blog_202309181603201f9.jpg

これ、何に見えますか?


「内なる家」
山口 信哉

雲の形が、ひとそれぞれ違うように見えるように、アートも人それぞれ、見えるものや感じることは違います。
また、情報によって、それらは変化します。
「アメジストみたい」と聞こえてきたその作品を覗き込むと、何重にもぶら下がっている和紙に、人型のようなくり抜きがあり、立体的にも見えるし、いくつも存在するようにも見えます。

タイトルに「家」とついていたので、私には人に見えましたが、読んでいなければ、違うものに見えるのです。あるいは、読んでいても、別のなにかに感じるかもしれません。
アートが持つ可能性の大きさを感じます。

和紙の両脇に、金属管が2本ぶら下がっており、近くに棒もありました。管を叩くと、音が鳴り響きました。
大人が小さく話す声や、子供の笑い声。スリッパの音、写真を撮る音。
あらゆる音は生活によくある音で、それはこの空間に馴染んでいるのに、この金属の管に、近くにいた人は耳をすませました。

その音が収まるまでの空間もまた、面白いと感じました。
私も皆も、何かを感じようとしているのです。

後で調べたことですが、作者の山口氏の活動に、「30 年以上にわたり、金属は山口の主な活動分野でした。 彼は鉄の彫刻でアーティストとしてのキャリアを開始し、金属製の楽器の制作に移行し、近年では 2 つを組み合わせて形、物質、音の親和性を探求し始めています」とありました。また、「アーティストとしてのキャリアを通じて「家」の意味に心を奪われてきました」とも。

今思うと、作品の端に吊られていた金属管は、家の壁だったのかもしれません。
家族の生活音のこだまです。

fc2blog_20230918160823dc2.jpg

「What’s Your Name?」
S+N laboratory

家の中を覗くと、好きな色で自分がここに来た証を残せるようになっていました。
オフラインでありながら、誰かとつながることのできる家です。

fc2blog_20230918160853606.jpg

「時層を綴る」
嘉 春佳

誰かが着ていた洋服に、また他の誰かが着ていた服の一部を縫い付けてあるらしい。
それぞれの生活、それぞれの時間の重なりが感じられて、ただの物体でありながら、尊重し、紡いでゆくという行為に特別な何かが感じられる気がします。

fc2blog_20230918160915bba.jpg

「轟々と流れる」
春田 美咲

fc2blog_20230918160932849.jpg

鮮やかな布の裏側には、茶色をベースとした布が。
色鮮やかで、のどかな田園風景が広がるこの中之条に、豪雨が襲ってきたときの様子が表現されています。


ここに書いていることは、公式の説明にない限り、私の主観に過ぎませんが、他の誰かが見れば、また違うものに見えるはずです。
まだ日にちはありますから、ご興味ある方は、是非直接ご覧になることをオススメします。


公共交通機関ですと大変だと思うので、できればお車で行かれるといいですよ。

 
 
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
 
 
埼玉県熊谷市別府5-80-3  
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日
 
 
 
にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 熊谷情報へ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

プロフィール

Riyon

Author:Riyon
埼玉県熊谷市。籠原駅から徒歩15分ほど、公園のめぐりにある、珈琲豆と器とお洋服の、小さな小さなセレクトショップ、Riyonです。
Open 11:00~18:00 日/月曜/祝日はおやすみです。  

記事カテゴリ【月別】