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「エマイユと身体」展

先日、展示会前に立ち寄ったのは、
銀座メゾンエルメス、8、9Fにあるアート・ギャラリー「フォーラム」。

ここでは現在、
「エマイユと身体」展が開催されています。


エマイユというのは釉薬のこと。釉薬に焦点が当たった作品展は珍しいです。




仕事柄、日常的に「使われることを目的とした陶器」を見ています。


生活の中のうつわも、作家の数だけと言えるくらい色々とあるのですが、やはり作り手は、使う方のことも考えるものなので、表現したいものがあったとしても、日常使いを意識すると、表現しきれない部分もあるだろうと思います。





エレベーターを降りて、はじめにお出迎えしてくれるのは、シルヴィ・オーブレ氏による作品。


信楽に滞在した際、制作したものだそう。



外は奥行きのあるネイビー。内側は黒をベースに、様々な色が入っています。ときに単独で主張し、ときに混ざりあい。
釉薬が作り出す景色は、アーティストの思うままに出来るわけではなく、自然(窯の中)が作り出すもの。それが面白いですよね。
どこか油絵も思わせます。




同じアーティストによる箒の作品は、ユーモアがありました。




小川待子氏による作品

窓から差し込む光が反射し、釉薬のガラス質がとても美しく、静かに輝いていました。



闇と星

宇宙に浮遊する物体にも見えるし、どこかの洞窟の鉱物にも見えます。




照明を浴び、表面がキラキラと輝くその様は、表面を宇宙に見立て、その中に光る星にも見えるし、うつわとしての形を持ちながら、これ自体が鉱物や宇宙の塵であるようにも見えます。
そこに光が当たっているのだから、そう言う意味ではやはり星なのかもしれません。

上の白い作品と、闇と星の作品では、同じアーティストの作品でありながら、印象が異なる様に思います。
しかし光や水、闇、星は自然界にあるものですから、一見対極にある様で、そうではなく、同時に存在するものであると改めて思わせてくれます。





安永正臣氏の作品も素敵でした。

この作品は、お母様のルーツ、五島列島とその北東部の野崎島。

テーマは「遠くを見る」

それは物理的かもしれないし、五島列島から続く、自身の過去から現在までの時間かもしれない。

あるいは未来かもしれない。






この抹茶碗の様なもの、陶土が使われていないんですって。
陶器じゃないんです。

とても美しかった。釉薬はすごいですね。

他にも個性豊かな作品が並んでいます。

ここに書いたことは私の感じたことなので、アーティストの意図することとは違うかもしれませんが、釉薬の知らない顔をみて、可能性を感じました。
とても興味深い展覧会でした。




エレベーターの床。
フランスのエルメスのエレベーターと同じだそうです。
でもどこか、懐かしい感じのするデザインではないですか。



「エマイユと身体」展

2023.6.17(土)~9.17(日)

銀座メゾンエルメス、
アート・ギャラリー「フォーラム」
(エントランスは9Fです)

お店の正面入口ではなく、側道側にエレベーターがあります。そこまでいくと、スタッフの方が案内してくださいます。
ちなみに鑑賞は無料です。


参加アーティスト
シルヴィ・オーヴレ、ジャン・ジレル、内藤アガーテ、ユースケ・オフハウズ、小川待子、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣。

 
 
 
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