「エマイユと身体」展
- 2023/06/21
- 23:59
先日、展示会前に立ち寄ったのは、
銀座メゾンエルメス、8、9Fにあるアート・ギャラリー「フォーラム」。
ここでは現在、
「エマイユと身体」展が開催されています。
エマイユというのは釉薬のこと。釉薬に焦点が当たった作品展は珍しいです。
仕事柄、日常的に「使われることを目的とした陶器」を見ています。
生活の中のうつわも、作家の数だけと言えるくらい色々とあるのですが、やはり作り手は、使う方のことも考えるものなので、表現したいものがあったとしても、日常使いを意識すると、表現しきれない部分もあるだろうと思います。

エレベーターを降りて、はじめにお出迎えしてくれるのは、シルヴィ・オーブレ氏による作品。
信楽に滞在した際、制作したものだそう。

外は奥行きのあるネイビー。内側は黒をベースに、様々な色が入っています。ときに単独で主張し、ときに混ざりあい。
釉薬が作り出す景色は、アーティストの思うままに出来るわけではなく、自然(窯の中)が作り出すもの。それが面白いですよね。
どこか油絵も思わせます。

同じアーティストによる箒の作品は、ユーモアがありました。

小川待子氏による作品
窓から差し込む光が反射し、釉薬のガラス質がとても美しく、静かに輝いていました。

闇と星
宇宙に浮遊する物体にも見えるし、どこかの洞窟の鉱物にも見えます。

照明を浴び、表面がキラキラと輝くその様は、表面を宇宙に見立て、その中に光る星にも見えるし、うつわとしての形を持ちながら、これ自体が鉱物や宇宙の塵であるようにも見えます。
そこに光が当たっているのだから、そう言う意味ではやはり星なのかもしれません。
上の白い作品と、闇と星の作品では、同じアーティストの作品でありながら、印象が異なる様に思います。
しかし光や水、闇、星は自然界にあるものですから、一見対極にある様で、そうではなく、同時に存在するものであると改めて思わせてくれます。

安永正臣氏の作品も素敵でした。
この作品は、お母様のルーツ、五島列島とその北東部の野崎島。
テーマは「遠くを見る」
それは物理的かもしれないし、五島列島から続く、自身の過去から現在までの時間かもしれない。
あるいは未来かもしれない。

この抹茶碗の様なもの、陶土が使われていないんですって。
陶器じゃないんです。
とても美しかった。釉薬はすごいですね。
他にも個性豊かな作品が並んでいます。
ここに書いたことは私の感じたことなので、アーティストの意図することとは違うかもしれませんが、釉薬の知らない顔をみて、可能性を感じました。
とても興味深い展覧会でした。

エレベーターの床。
フランスのエルメスのエレベーターと同じだそうです。
でもどこか、懐かしい感じのするデザインではないですか。
「エマイユと身体」展
2023.6.17(土)~9.17(日)
銀座メゾンエルメス、
アート・ギャラリー「フォーラム」
(エントランスは9Fです)
お店の正面入口ではなく、側道側にエレベーターがあります。そこまでいくと、スタッフの方が案内してくださいます。
ちなみに鑑賞は無料です。
参加アーティスト
シルヴィ・オーヴレ、ジャン・ジレル、内藤アガーテ、ユースケ・オフハウズ、小川待子、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

にほんブログ村
にほんブログ村
銀座メゾンエルメス、8、9Fにあるアート・ギャラリー「フォーラム」。
ここでは現在、
「エマイユと身体」展が開催されています。
エマイユというのは釉薬のこと。釉薬に焦点が当たった作品展は珍しいです。
仕事柄、日常的に「使われることを目的とした陶器」を見ています。
生活の中のうつわも、作家の数だけと言えるくらい色々とあるのですが、やはり作り手は、使う方のことも考えるものなので、表現したいものがあったとしても、日常使いを意識すると、表現しきれない部分もあるだろうと思います。

エレベーターを降りて、はじめにお出迎えしてくれるのは、シルヴィ・オーブレ氏による作品。
信楽に滞在した際、制作したものだそう。

外は奥行きのあるネイビー。内側は黒をベースに、様々な色が入っています。ときに単独で主張し、ときに混ざりあい。
釉薬が作り出す景色は、アーティストの思うままに出来るわけではなく、自然(窯の中)が作り出すもの。それが面白いですよね。
どこか油絵も思わせます。

同じアーティストによる箒の作品は、ユーモアがありました。

小川待子氏による作品
窓から差し込む光が反射し、釉薬のガラス質がとても美しく、静かに輝いていました。

闇と星
宇宙に浮遊する物体にも見えるし、どこかの洞窟の鉱物にも見えます。

照明を浴び、表面がキラキラと輝くその様は、表面を宇宙に見立て、その中に光る星にも見えるし、うつわとしての形を持ちながら、これ自体が鉱物や宇宙の塵であるようにも見えます。
そこに光が当たっているのだから、そう言う意味ではやはり星なのかもしれません。
上の白い作品と、闇と星の作品では、同じアーティストの作品でありながら、印象が異なる様に思います。
しかし光や水、闇、星は自然界にあるものですから、一見対極にある様で、そうではなく、同時に存在するものであると改めて思わせてくれます。

安永正臣氏の作品も素敵でした。
この作品は、お母様のルーツ、五島列島とその北東部の野崎島。
テーマは「遠くを見る」
それは物理的かもしれないし、五島列島から続く、自身の過去から現在までの時間かもしれない。
あるいは未来かもしれない。

この抹茶碗の様なもの、陶土が使われていないんですって。
陶器じゃないんです。
とても美しかった。釉薬はすごいですね。
他にも個性豊かな作品が並んでいます。
ここに書いたことは私の感じたことなので、アーティストの意図することとは違うかもしれませんが、釉薬の知らない顔をみて、可能性を感じました。
とても興味深い展覧会でした。

エレベーターの床。
フランスのエルメスのエレベーターと同じだそうです。
でもどこか、懐かしい感じのするデザインではないですか。
「エマイユと身体」展
2023.6.17(土)~9.17(日)
銀座メゾンエルメス、
アート・ギャラリー「フォーラム」
(エントランスは9Fです)
お店の正面入口ではなく、側道側にエレベーターがあります。そこまでいくと、スタッフの方が案内してくださいます。
ちなみに鑑賞は無料です。
参加アーティスト
シルヴィ・オーヴレ、ジャン・ジレル、内藤アガーテ、ユースケ・オフハウズ、小川待子、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

にほんブログ村
