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ケリス・ウィン・エヴァンス展

昨日、金継ぎのお教室に向かう前に、赤坂へ立ち寄りました。

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青山1丁目駅から歩いて数分。高橋是清翁記念公園を過ぎると、ビル(丹下健三建築)が現れます。
それにしても、確実に緑が深くなっていきますね。

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東京・赤坂の草月会館1F 。

現在、イサムノグチの石庭「天国」にて、ケリス・ウィン・エヴァンスの作品が展示されています。




素敵な世界。

確かに建物の中に入ったはずなのに、そこは天国かと思うほどに天井が高く、広々とした空間が広がっています。
白い世界と階段、松の木、高い天井へとそびえたつ光の柱、かすかに揺らぐつくばいの水面、流れる水、そのせせらぎ。

時折、フルートの音が聞こえてきます。不協和音が耳を奪います。しかしその音と水のせせらぎは決して嫌ではなく、刺激される音でもあり、なんだか懐かしいような音でもあります。
そして、奥にはネオン管の作品が、カーテンか、あるいは壁のように、そこに存在感を放っています。


これは、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の日本語訳の一部です。





以下、ネオンの文章を引用しました。ご興味ある方は読んでみてください。

「噴水と同じほどに古い立木が何本もある立派な樹林に囲まれた空き地に、ぽつんと離れて植えられた観のある噴水は、遠くから見ると、すらりとして微動だにしない固体のように感じられ、そよ風に揺れるのは、はるかに軽く青白く震えて、羽根飾りのように垂れさがる先端だけかと思える。十八世紀は、このエレガントな輪郭をごく洗練されたものに仕上げはしたが、吹きあげの型を固定してその生命を止めてしまったように思われた。これだけ離れていると、それが水とは感じられず、むしろ芸術作品を前にしている印象を受ける。てっぺんにたえず湧きあがる湿った雲にしても、まるでヴェルサイユの宮殿のまわりに集まる雲のように、その時代の性格を維持しつづけている。ところが近くで見ると、古の宮殿の石材のようにあらかじめ引かれた図面を忠実に再現していながら、つねに新しく吹き上がる水は、建築家の昔の指示に従おうとしながら、それに背くように見えることでしかその指示を正確に実現することはできない。飛び散る無数の飛沫だけが、遠くから見てひたすら一挙に吹きあげている印象を与えるからである。一挙に吹きあげるといっても実際には、散乱して落下するのと同様に頻繁に中断しているのだが、遠くの私には、曲げることもかなわぬ緻密な隙間のないものが連続しているかに見えるのだ。一本の線に見えるこの連続した水は、少し近寄ると、吹きあげのどの高さにおいても、砕けそうになると、その横に並行して吹きあげる水があらたに戦列に加わることによって保持されていることがわかる。この並行する吹きあげは、最初の吹きあげよりも高くあがるが、さらなる高みがすでにこの第二の吹きあげにとって重荷になると、こんどはそれが第三の吹きあげへと引き継がれる。もっとそばで観察すると、力を失った水滴の群れは、水柱から落ちてくる途中で、上昇してくる水滴とすれ違い、ときにはぶつかって砕け散り、たえまなく吹きあげる水にかき乱された空気の渦のなかに巻き込まれて宙を舞ったあと、水盤のなかに崩れ落ちる。これらの水滴は、まっすぐに張りつめた水柱にたいして、ためらいがちに逆方向へ落ちてゆくことで水柱の邪魔をするとともに、おだやかな蒸気となって水柱をぼかしている。水柱はそのてっぺんに、無数の小さな水滴からなる細長い雲をいただき、変わることのない金褐色で描かれたかに見えるその雲は、全体としては壊れず動かずにいるが、そのじつ急速に上へと伸びあがって、空の雲の仲間となる。」

タカ・イシイギャラリーHPより引用

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ケリス・ウィン・エヴァンスの個展
4 月29 日(土)まで
会場:草月会館1F 石庭 「天国」
     (東京都港区赤坂7-2-21)
時間:10:00 ~ 17:00
休館日:日
料金:無料
 
 
 
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