美しいもの

美しいものというのは、なにも特別なことばかりではありません。


小さな窓から部屋に入り込んでくる光だったり、
その光によってできた何かの影だったり、
そよそよと通り過ぎる風だったり、
その風に揺れる小さな花だったり、
水たまりに出来た波だったり、
そこに映る緑の樹々だったり、
雨上がりの葉に残る水滴だったり、
枝から出てきたばかりの小さな芽だったり、
うつわに入る貫入だったり、
結露したカップを伝う水滴だったり、
漆器の温かみのあるフォルムだったり、
雲の隙間から覗く太陽だったり、
星空だったり、
月の形だったり、



気づこうとすれば、日常のあちこちに、美しいものがあります。
集中して仕事をするときに、ミュージカル音楽や、久石譲氏のジブリ音楽のオーケストラをよくかけます。
久石譲氏の曲は、最近、外で聴く機会も増えたのだけれども、同じジブリでも楽器が違うと雰囲気も違うのです。

あの美しい音色の中で金継ぎをしていると、（笑われてしまうかもしれませんが）作品の中にでも入ったかのようで笑、悠久や威厳、正義を感じて、更に没頭します。

木管、金管、弦、そしてパーカッション、、、この奥ゆき。それぞれの楽器から連想させるイメージ、それは日常にある何かや、その時々の心情に似ています。
そしてそれは、逆も言えます。
音楽を聴いて、自分の心が作られることもあるのですから。

音楽って、面白い。そして美しい。

 
 
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