ヨビツギピアス
- 2023/03/06
- 23:59
金継ぎとは、欠けたり割れたりした陶磁器を、漆で継ぎ、金属粉をかけ、そこに景色、美しさを見出す、室町時代から伝わる日本の伝統的な修復の技法です。
金継ぎの仲間に、呼び継ぎというものがあります。呼び継ぎとは、欠損している部分に、別のうつわの破片をいれこんで継ぐことです。
同じうつわでも、どんな陶片でどんなふうに組み合わせるかによって、味が異なるのが、とても興味深いです。
うつわだけでなく、小さなものだけを組み合わせるとアクセサリーやブローチ、帯留、箸置きなどが出来ます。
6次元での金継ぎのあと、森先生によるヨビツギのワークショップに参加させていただきました。
多くの陶片、シーグラス、天然石を好きなように組み合わせます。

私はピアスを作りたかったので、あまり大きいものや重いものにしたくないので、小さな陶片と石、タイルを選びました。
今回は「銀河鉄道の夜」をテーマとして作りたいと思います。
宮沢賢治の名作です。
子供の頃に、市内の文化会館で上映があり、子供ながらに、なんだかやるせない気持ちで会場を後にしたことを今でも覚えています。
「ではみなさんは、このぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
先生の問いに、カムパネルラが手をあげました。それから四、五人手をあげました。
ジョバンニも手をあげようとして、やめました。
「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。」
しかしジョバンニははっきりとそれを答えることができず、先生は
「ではカムパネルラさん。」
と名指しました。するとあんなに元気に手をあげたカムパネルラも、やはりもじもじ立ったまま、答えられませんでした。
「このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと、もうたくさんの小さな星に見えるのです。ジョバンニさんそうでしょう。」
ジョバンニはまっ赤になってうなずきました。けれどもいつかジョバンニの眼の中には涙がいっぱいになりました。
そうだ僕は知っていたのだ、勿論カムパネルラも知っている。
それはいつかカムパネルラのお父さん(博士)のうちで、カムパネルラと一緒に読んだ本。まっ黒なページいっぱいに、白い点々のある美しい写真を、二人でいつまでも見た。
それをカムパネルラが忘れるはずもなかったのに。
(銀河鉄道の夜より。要約)

カムパネルラはジョバンニにとって特別な存在です。だからあの日銀河の写真を一緒に見たことも、まるで2人だけの秘密の様に感じているに違いありません。
ピアスは、果てしない宇宙と、一緒に見た銀河。もう片方が、列車の中から一緒に見た鳥や美しい世界、と同時にやはりこの先どうなるのか、見えない不安を表しました(想いはあっても技術はともなっていませんが笑)
ジョバンニは思わず窓から体を半分出してそっちを見あげました。美しい美しい桔梗色のがらんとした空の下を、小さな鳥どもが幾組も幾組もせわしく鳴いて通って行くのでした。
「鳥が飛んで行くな。」
ジョバンニが窓の外で云いました。
「どら、」カムパネルラも空を見ました。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

にほんブログ村
にほんブログ村
金継ぎの仲間に、呼び継ぎというものがあります。呼び継ぎとは、欠損している部分に、別のうつわの破片をいれこんで継ぐことです。
同じうつわでも、どんな陶片でどんなふうに組み合わせるかによって、味が異なるのが、とても興味深いです。
うつわだけでなく、小さなものだけを組み合わせるとアクセサリーやブローチ、帯留、箸置きなどが出来ます。
6次元での金継ぎのあと、森先生によるヨビツギのワークショップに参加させていただきました。
多くの陶片、シーグラス、天然石を好きなように組み合わせます。

私はピアスを作りたかったので、あまり大きいものや重いものにしたくないので、小さな陶片と石、タイルを選びました。
今回は「銀河鉄道の夜」をテーマとして作りたいと思います。
宮沢賢治の名作です。
子供の頃に、市内の文化会館で上映があり、子供ながらに、なんだかやるせない気持ちで会場を後にしたことを今でも覚えています。
「ではみなさんは、このぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
先生の問いに、カムパネルラが手をあげました。それから四、五人手をあげました。
ジョバンニも手をあげようとして、やめました。
「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。」
しかしジョバンニははっきりとそれを答えることができず、先生は
「ではカムパネルラさん。」
と名指しました。するとあんなに元気に手をあげたカムパネルラも、やはりもじもじ立ったまま、答えられませんでした。
「このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと、もうたくさんの小さな星に見えるのです。ジョバンニさんそうでしょう。」
ジョバンニはまっ赤になってうなずきました。けれどもいつかジョバンニの眼の中には涙がいっぱいになりました。
そうだ僕は知っていたのだ、勿論カムパネルラも知っている。
それはいつかカムパネルラのお父さん(博士)のうちで、カムパネルラと一緒に読んだ本。まっ黒なページいっぱいに、白い点々のある美しい写真を、二人でいつまでも見た。
それをカムパネルラが忘れるはずもなかったのに。
(銀河鉄道の夜より。要約)

カムパネルラはジョバンニにとって特別な存在です。だからあの日銀河の写真を一緒に見たことも、まるで2人だけの秘密の様に感じているに違いありません。
ピアスは、果てしない宇宙と、一緒に見た銀河。もう片方が、列車の中から一緒に見た鳥や美しい世界、と同時にやはりこの先どうなるのか、見えない不安を表しました(想いはあっても技術はともなっていませんが笑)
ジョバンニは思わず窓から体を半分出してそっちを見あげました。美しい美しい桔梗色のがらんとした空の下を、小さな鳥どもが幾組も幾組もせわしく鳴いて通って行くのでした。
「鳥が飛んで行くな。」
ジョバンニが窓の外で云いました。
「どら、」カムパネルラも空を見ました。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

にほんブログ村
