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民藝の本

先日、久々に図書館を利用しました。
じっくり読みたい、見たい本が他にも沢山ありました。
正直、図書館の品揃えに驚きました。今後はもっと積極的に利用しなくては。

今回借りてきた本に書かれていました。

「これは鈴木先生が言われていたことですが、民藝の社会に対する功績はひとつしかありません。世の中には、かごに乗る人、かつぐ人、そして、そのかつぐ人のわらじを編む人がいるわけです。
その〝わらじを編む人"に焦点 を当てたこと。これが、柳がおこした運動、すなわち民藝運動の最大の功績なのです」

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また別の言い方で民藝を説明しようとすると、落合陽一氏が、アートではなくクラフトであるという言い方をしていて、とてもわかりやすいなと思ったことがあります。

私が子供の頃、民藝は、あえて注目すべきものではないものでした。
その頃は、まわりに当たり前に身の回りにあったのだと思います。

でも、時代が変わってゆくとともに、そういったものがまわりから減ってきました。
そうしたら、愛おしくなってきました。


お店で、祖母の箪笥をディスプレイ棚として使っているのですが、それを見たお客様が、何名も「桐の箪笥、うちにもあったわ!捨てなければよかった!」とおっしゃるのです。

昭和以前生まれの方が子供の頃、当たり前に身近にあったものも、時間が経過し古さが目立ってくると、機能的で新しいものにかわっていきます。しかしそういったものに囲まれてくると、今度は思い出や懐かしさに包まれたくなることもあります。

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そういえば、河井寛次郎氏は、自身が作ったうつわに銘を入れなくなったといいます。

それまで観賞用が主流であった陶器を、柳宗悦氏が「美術品に負けて劣らない美しさが、日用品の中にはある」と提唱し、名もなき職人の作るものに美を見出し、民藝運動が広まっていきました。

河井氏の作品も日常使いの簡素な作風に変化し、美術品として評価されることのないよう、作品に銘を入れなくなったそうです。

銘がないと、偽物が出回ってしまうと周りの人に心配されても、
「偽物が素晴らしければ、それもまた本物じゃないか。美しさは後からついてくるものだ」
と答えたのだとか。

民藝というのは、人の手によってできるものですが、同じものを沢山生み出すという定義もあるので、それを作品と呼ぶのは厳密には違うのかもしれませんが、私は作り手に敬意を払い、そのように呼んでいます。

どうすれば手に馴染むか、どうすれば飲みやすいか、そんなふうに使う人のことを考えて生まれた品だからです。
 
 
 
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