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人は好きなもののために、多くのものを捨ててきた

劇団四季の「コーラスライン」が好きなことをご存知のお客様に、貴重な昔のパンフレットをいただきました。
ページをめくると、青山弥生さんや下村尊則さんの名前があります。


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ミュージカルといえば・・・という話題なら、必ず名があがるであろう「コーラスライン」。
ブロードウェイでもロングラン公演を行っていた、人気の演目です。


ステージ上で、役のつかないダンサーたちが並ぶライン。

しかし役名が付かない人にも、歩んできた道のりがあります。
それは本人以外誰も知ることのない道。苦悩や努力、希望です。
夢を抱きオーディションに臨む若者の、履歴書に書いていないお話。それが「コーラスライン」。

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オーディションがすすみ、最終選考に残った17名のダンサー。

すでにコーラスから抜け、主役まで務めたにも拘らず、仕事が途切れて再びコーラスのオーディションを受けるキャシー。

自身の性に悩み苦しんだ末、大好きなショービジネスの世界に入ったものの、両親にゲイであることを知られたことで、負い目と孤独感に苛まれるポール。

女優を目指し芸能学校に入ったはいいが、先生の思うようにいかないことでレッテルを貼られ、それでも夢を諦めずに誇りを持ってオーディションに望むディアナ。

両親の不仲で、バレエの稽古だけが自分の居場所だった、マギーやシーラ。

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(劇団四季HPより)


皆、何かしら抱えてここに立っています。
ちなみにポールはこのコーラスライン原案、振付、演出であるマイケル・ベネット本人の話が元になっています。
この中に、自分や、知っているあの人の姿が見えるかもしれません。


劇中、オーディションをすすめる演出家、ザックがみんなに問いかけます。
「もし踊れなくなったらどうする?」。

ディアナが歌い出し、みんなも続きます。

「悔やまない 選んだ道が どんなに辛く
この日々が 報われず 過ぎ去ろうと

中略

悔やまない 好きだからこそ 命燃やし

すべてを捨てて
生きた日々に悔いはない
ひたすらに この道を」

(「愛した日々に悔いはない」より)



動画は古いものですが、やはり素晴らしい。
最後に大勢の中央で女性(ディアナ)が歌っているのが、「愛した日々に悔いはない」です。

日本語詞を書いた浅利慶太さんは、自分の若かった頃を思い返し、当時は何もなかったから、自分自身を演劇に「捧げ」たが、今の人達には多くの選択肢がある。その中からさまざまなものを「捨てて」演劇に生きているとし、「すべてを捨てて」という歌詞にしたそうです。

これはなにも、彼らだけのお話ではありません。
無名の私たちは、ダンサーではなくとも、コーラスラインと同じなのです。

幼い頃にみた夢は、簡単になれるものではないと知るときが来ます。
挫折を味わい、ではどうすればよいのかと彷徨い、それでも再び夢を抱き、再起。しかしうまくゆかない。人と比較して焦り、努力し、また落ち込む。そんなことを何度も繰り返しながら、自分なりの夢の方角と距離を見つけ、現在地を確認しながら、幸せの数を数えることを覚えてゆきます。

好きなものに向かう自分に自信を与えてくれるのは、多くの本の中から、自分を楽にしてくれる気休めの言葉を探すことではなく、頑張ること。そのために、捨てなければいけないものもあるでしょう。
努力したところで、成し遂げられるとは限らないけれど、それでも踏ん張れるのは好きだから。やめることも出来ないから。人を幸せにするため。自分も幸せでいるため。
 
 
 
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