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永井荷風展

さいたま文学館で開催中の永井荷風展に行ってきました。

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同じ12月3日生まれの永井荷風には、昔から勝手に親近感を持っているのですが、では永井荷風の何を知っているかというと、ほとんど知りません。

ただ、永井荷風は(およそ100年前のことであるが)フランスにいた頃、リヨンにいたということを知りました(私のお店はフランスのリヨンからとってはいないので、スペルが違います)。
もっとも、お気に入りはパリだったようですが、更に親近感が増しました笑。

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撮影は出来ませんが、アメリカやフランスに渡ったきっかけや、あちらでどんなふうに過ごしたかなど、あらゆる資料が展示されています。正直、もっと小さな規模かと思っていたので、時間を測り間違えてしまい、時間が足りませんでした。
もっとゆっくり見たかったなぁ。


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永井荷風 文机

私も文庫本をもっている「濹東綺譚」は、原稿の展示がありません。
なぜなら、私の敬愛する宮本浩次氏が持っているからです。以前、YouTubeにて読み聞かせてくれたことがあります。

私は、私の尊敬する人たちが、何を「美しい」とするのか、「楽しい」とするのかということにとても興味があります。
だから文庫本を読んでいて、そこで読まれた一文が来たときには、私なりの情景描写と、宮本浩次氏のそれと、どれだけ違うのだろうか。どんな美しい景色が彼の瞼の裏にあるのかと想いを馳せました。

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また太宰治は、つながりこそなかったものの、女生徒の中で「濹東綺譚」を出しており、尊敬していたのだろうということがうかがえます。

ちなみに、この濹東綺譚、元となった原稿は鉛筆書199枚、毛筆書24枚の完成原稿だったそうですが、「2種類の原稿の関係や活字化された作品との比較検討は手付かずの状態で、荷風研究の大きな課題である。」と記されていました。

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永井荷風はこのように残しています。

日本人は三十の声を聞くと青春の時期が過ぎてしまったように云うけれども、情熱さえあれば人間は一生涯青春で居られる。

「青春」といえば、サミュエル・ウルマンにも

「青春とは人生の一時期のことではなく心のあり方のことだ。若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、安易に就こうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。人間は年齢(とし)を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。歳月は人間の皮膚に皺を刻むが情熱の消失は心に皺を作る。」


という詩があります。

つまりそういうことなのだ。と、思いました。

何かを成し遂げた人は、自ら限界を設けたりはしない。
ずっと青春を感じて挑戦していく。皆年齢を言い訳にせず、文字通り「生きる」ことを大事にしたのだと。
何をしても、どのように過ごしても、時間は平等に流れるのですから。

でも、とはいえ出来ないときもある。

だから、出来るときには出来るだけ学び、感じ、笑い、楽しもうと思うのです。

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記念にというか、日記『断腸亭日乗』を清書するのに愛用したという、榛原の「十行罫紙」を復刻した日乗箋を購入し、文学館をあとにしました。



蛇足というか、素朴な疑問なのですが、
与謝野晶子の「みだれ髪」の表紙は(ここに写真を貼れないのですが検索するとすぐに出てきます)、それこそ先週行ってきたばかりのミュシャの影響を受けていると言われる、女性の横顔が描かれています。
永井荷風の「女優ナナ」という、エミール・ゾラの作品を訳したものの表紙も、同じ様に女性の横顔と花が描かれているのですが、やはりこちらも影響を受けたのでしょうか。調べようとしたのですが、検索してもわかりませんでした。


さいたま文学館
桶川市若宮1-5-9
アクセス:JR高崎線桶川駅西口から徒歩5分
駐車場あり・有料(はじめの1時間は無料)

会期
令和4年9月17日(土)~11月27日(日)

※休館日:月曜日(但し、9月19日、10月10日、11月14日は開館)と、9月20日・27日、10月11日・25日、11月15日の火曜日


開館時間
10:00~17:30(受付は17:00まで)

観覧料
一般210円 学生100円
(中学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその介助の方1名は無料)

 
 
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