ブロンズの手
- 2022/05/26
- 23:51
少し前から、訳あってお店に来れなかったお客様が、久々に、突然、いらっしゃいました。
私は、(こんなご時世ではありますが)ハグさせてと言いました。
嬉しかった。
とっても嬉しかった。
みんなも、嬉しそうでした。

美術館へ行くのがわりと好きです。詳しくはありません。絵画や彫刻、陶芸、建築、文学、難しいことは何一つ知らないけれど、気のむくままに展覧会に行き、好きなだけ見て、時間があるときはどこかで感情や思考を一旦整理し、それから帰ります。
数年前の塩田千春展でのこと。
私はこの作品の前に暫く立って(邪魔になってしまうので、ちょっとズレて見て)いたのですが、ほとんどの方が立ち止まらず、次の部屋へ進んでいきました。人によって、何が引っかかるかは違うものだなぁとぼんやり思いました。
ブロンズの手の中に、細い針金のようなものが絡まっていました。
私達は多分、みんなこういうモノを持っています。
ごちゃごちゃと絡まり合い、急いでほどこうとすれば余計にもつれるもの。とても繊細なもの。
生まれた時は、きっと小さくて見えないほどだったに違いありません。
いろんなことを見聞きしていく中で、見えないことや訪れてもいないことに不安を感じ、答えの出ない悩みに苛まれ、さらに針金は複雑に絡みあっていく。
でも、泣きたいほど嬉しいことも、魂から揺さぶられるほどの衝撃を与えられることも、温かい優しさに包まれてほっとすることも沢山あって。
敏感な掌で、その細い針金の振動や鼓動を感じることが、おそらく生きるということだと思うのです。
今日のそのお客様は、どんな思いでお店に来てくれたか。
色々あっただろうに、いつも通りオシャレして、何事もなかったかのように笑いながら。
ブロンズの手の中にあるものは、その複雑さゆえ、他者は推測することしか出来ないが、どれだけの時間があいても、それまでの関係性によって、その推測も遠くはないはず。磨かれた輝きとして捉えることが出来る。
人間って素晴らしい。
あぁ、今日は嬉しい1日でした。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

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私は、(こんなご時世ではありますが)ハグさせてと言いました。
嬉しかった。
とっても嬉しかった。
みんなも、嬉しそうでした。

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数年前の塩田千春展でのこと。
私はこの作品の前に暫く立って(邪魔になってしまうので、ちょっとズレて見て)いたのですが、ほとんどの方が立ち止まらず、次の部屋へ進んでいきました。人によって、何が引っかかるかは違うものだなぁとぼんやり思いました。
ブロンズの手の中に、細い針金のようなものが絡まっていました。
私達は多分、みんなこういうモノを持っています。
ごちゃごちゃと絡まり合い、急いでほどこうとすれば余計にもつれるもの。とても繊細なもの。
生まれた時は、きっと小さくて見えないほどだったに違いありません。
いろんなことを見聞きしていく中で、見えないことや訪れてもいないことに不安を感じ、答えの出ない悩みに苛まれ、さらに針金は複雑に絡みあっていく。
でも、泣きたいほど嬉しいことも、魂から揺さぶられるほどの衝撃を与えられることも、温かい優しさに包まれてほっとすることも沢山あって。
敏感な掌で、その細い針金の振動や鼓動を感じることが、おそらく生きるということだと思うのです。
今日のそのお客様は、どんな思いでお店に来てくれたか。
色々あっただろうに、いつも通りオシャレして、何事もなかったかのように笑いながら。
ブロンズの手の中にあるものは、その複雑さゆえ、他者は推測することしか出来ないが、どれだけの時間があいても、それまでの関係性によって、その推測も遠くはないはず。磨かれた輝きとして捉えることが出来る。
人間って素晴らしい。
あぁ、今日は嬉しい1日でした。
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