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カムパネルラ

先日、NHKにて、「銀河鉄道の夜」声優さんによる朗読劇がありました。



(明日と書いてありますが、すでに放送されました。)

弦楽器が生で入っていることもあり、声優さんといっても、アニメともまた違う空気が流れていて、すごくよかったです。

番組の見逃し配信は下のリンクから(ログインしないと観れません)

コズミックフロント×銀河鉄道の夜 音楽朗読ライブ

配信期限 : 5/21(土) 午前1:30 まで



銀河鉄道の夜の内容を、覚えていますか?

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主人公ジョバンニは、クラスでイジメをうけています。
星祭の夜、届いていない牛乳を取りに街へでたジョバンニは、いじめっ子のザネリやクラスメイト、そして幼馴染のカムパネルラに遭遇し、いつものようにからかわれてしまいます。カムパネルラだけは、気の毒そうにうつむいていました。

ジョバンニはいたたまれず丘へ向かい、星空を眺めます。気づくと親友のカムパネルラと共に、銀河鉄道に乗っていました。カムパネルラは濡れていました。
みんなはどうしたのかと聞くと、ザネリも走ったけれど間に合わなかった、じきにお父さんが迎えに来て家に帰ったと言いました。


ジョバンニはいつの間にか、どこまででも行ける切符を手にしていました。

2人は途中、停車時間に外に出てみたり、乗ってきた鳥捕りから雁(と言ってもお菓子みたいなもの)をもらって食べたり、乗っていた船が氷山にぶつかったといって乗ってきた、小さな男の子とそのお姉ちゃん、彼らの家庭教師の青年と話したりしました。
彼らはしばらく一緒に乗っていましたが、天上へと繋がる駅、サウザンクロスで降りていきました。


ジョバンニは言いました。
「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」
カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」
「僕わからない。」
カムパネルラがぼんやり云いました。



ふとカムパネルラが

「あすこの野原はなんてきれいだろう。みんな集ってるねえ。あすこがほんとうの天上なんだ。あっ、あすこにいるのぼくのお母さんだよ。」
と言い、ジョバンニもそっちを見ましたが、そこは白くけむっているばかりでした。

気づくとカムパネルラの姿はありませんでした。

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ジョバンニは目をさますと、元いた丘の上でした。急いで帰ろうとすると、川の橋に人だかりが出来ていることに気付きます。

そこにいたクラスメイトが、川に落ちたザネリを助けようとして、カムパネルラが飛び込んだまま、行方不明になった。みんなで探しているけれどもみつからない。ザネリはうちへ連れられて行った。
と言いました。



あらすじをざっと書きましたが、宮沢賢治によって紡がれる言葉の美しさは独特なものがあります。
通常、その言葉がなくても通じることは、省いた方がいいこともあります。でも宮沢賢治のそれは、確実にあった方がいいのです。


本当のさいわいって、なんだろう。
ジョバンニは、見つけたのでしょうか。



ちなみに米津玄師のカムパネルラは、このザネリ目線で描かれているといいます。


 
 
 
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