fc2ブログ

記事一覧

早川義夫さんの本

たまに、早川義夫さんの本をペラペラとめくり、ところどころ読み返します。
私にとっては、定期的に摂取しなければいけない薬のようなものです。

fc2blog_20200329183454b9f.jpg

一番好きな本は「たましいの場所」。ブログでも度々書いています。

早川義夫さんは、1960年代のJACKSというロックバンドのボーカルだったのだけれども、その時代には私は生まれていないので、私にとっての早川さんは、「JACKSの人」でもなければ、「サルビアの花の人」でもなく、「早川義夫さん」です。



佐久間正英さんとのライブは、今でも心に残っています。

ライブ中のお二人には、まるで少年のような無邪気さがあり、そうかと思えばまるで恋人のような呼吸で音を奏で、その場の空気を震わせていました。
ライブ後にご本人たちもお客さんと飲んだりしていたので、2,3回、勇気をだして話しかけました。

あんな文章を書く早川さんに伝えるには、随分子供じみた感想だったけれど、早川さんも佐久間さんも、話しかけてもうざがったりすることなく、いつも対等で、気持ちよく、ニコニコと話してくれました。


最後にお二人が並んだ姿を観たのは、渋谷ラストワルツでした。


佐久間さんは、数々のアーティストを手がけた有名なプロデューサーで、私は高校時代、ジュディマリが大好きだったし、その後エレカシも大好きになったので、佐久間さんが世に送り出した曲は相当聴いているはずです。

佐久間さんプロデュースのエレカシの曲をきいた宮本さんが、「なんだよ!」とウォークマンを叩きつけたという伝説(笑)もあるけれど、結果、その洗練された音楽「ココロに花を」は、大ヒットとなりました。
エレカシの歴史にも、佐久間さんは必要な方でした。

すごい方です。
だけど、早川さんと一緒にいる佐久間さんは、すごいプロデューサーというより、早川さんのことを尊敬しているイチミュージシャンでした。



fc2blog_2022022014164009a.jpg

2014年、夏。
池袋の本屋さんにて、「生きがいは愛しあうことだけ」という新刊刊行を記念する、早川義夫さん×二階堂和美さんのトークイベントがありました。


この本には、この年の1月に永眠された佐久間さんによるエッセイも特別収録されています。
そして佐久間さんはというと、がんを公表したブログで、早川さんのことを「自分はこの人のために音楽をやってきたのではないだろうか」と書いています。

相思相愛。

この日は、早川さんが経営していた早川書店の復刻版ブックカバーとしおりもいただきました。
何度も読んでるから、すれちゃってるけど。

fc2blog_20220220141702ca1.jpg

早川さんに
「私はもし、早川さんの歌詞や本を読まずに早川さんにお会いしていたら、早川さんの凄さに気付くことは出来なかったと思います。早川さんご自身にとって、とても惹かれる人を、早川さんは、何で判断していらっしゃいますか?」と質問すると、「匂い」という答えが返ってました。
早川さんらしいと思いました。



「全身で歌っている。全身で演奏している。うまい下手ではなく、全身が音楽になっている。独特の世界を持っている。その世界に連れて行かれる。描写がわかる。風景が浮かぶ。伝えようとしていることが伝わってくる。歌よりも歌っている人間が伝わってくる。歌っている人のことより自分をが見えてくる。聴いている人が主人公に入れ替わる。痛い。泣けて来る。そうだよなと思う。今のままでいいのかなと思う。許してもらえる。心地よいリズム。適正な音量。間がある。間が語っている。優しさがある。聴いたことあるようなメロディなんだけど、よくある手ではない。澄んでいる。透き通っている。元気になってくる。自分も歌いたくなる。」

早川さんの文章は、透き通っている。

歌だって、絵画だって、日常会話だって、狂いなくまっすぐに、丁寧に、簡潔に、うまくまとめられたものが、相手に伝わるわけではありません。むしろ伝えたいという気持ちが強く、それを思うままに伝えているときは、支離滅裂なことを言っても、伝わっていたりするものだと思います。

 
 
お洋服と和のうつわと珈琲豆のセレクトショップ
Riyon
 
 
埼玉県熊谷市別府5-80-3  
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日
 
 
 
にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 熊谷情報へ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

プロフィール

Riyon

Author:Riyon
埼玉県熊谷市。籠原駅から徒歩15分ほど、公園のめぐりにある、珈琲豆と器とお洋服の、小さな小さなセレクトショップ、Riyonです。
Open 11:00~18:00 日/月曜/祝日はおやすみです。  

記事カテゴリ【月別】