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うつわってどうやって作られてるの?

うつわは、100円でも買えます。
ですからうつわを、ごはんをたべる「道具」、お料理をのせる「道具」と考えれば、100円でも10,000円でも同じ役割です。

100円だとすぐに割れてしまうのか。
そんなことはありません。100円だって、落としたりぶつけたりしなければいつまでも使えるし、逆を言えば100万円だって、ぶつければ割れます。


であれば、うつわの価値とはなんでしょうか。

それは「お食事」という時間を彩ることです。イコール日常の彩りです。

だから、お皿が道具である方には500円のうつわだって高いと感じるかもしれません。
これは価値観の問題であって、何が正解か不正解かではありません。安いから悪い、高いからいいということではありません。
自分の生活において、何に重きをおいているかという問題です。

車でも、腕時計でも、お財布でも、お洋服でも、家具でも、何にでも当てはまることです。


ただね、窯元に赴き、作家さんとお話をさせていただいている私の立場で言わせていただければ、
私のお店に置かせていただいている作家さんのうつわって、作家さんのお仕事を考えると、そのほとんどが決して高くはないなぁと思うのです。そのときそのときのお財布事情は置いておいて、対価に関しては。むしろ安いくらいです。中には安すぎる方もいます笑。


陶器というのは、どのようにできているのでしょうか。

まず初めに、粘土を練ります。
荒練り→菊練り(きくねり)で、粘土の硬さを均一にし、適度な粘り気を与え、気泡を抜いていきます。

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これをしないと焼いた時に割れてしまいます。先生の手にかかると、きれいな菊の花が出来上がっていきます。

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ロクロで成形していきます。

こちらは以前、作家さんが、同じ塊から様々な形が作れることを見せてくれたときの写真です。
カップから茶碗、もっと広げて鉢、更に広げて平らなお皿、そこから少し端を立てて。。。などなど、作家さんの指の感覚ひとつで自由自在です。

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見ていると簡単そうに見えますが、素人がやるとそうはいきません。
厚すぎたり、薄すぎて破けたり、ちょっと集中力がかけるとすぐにぐしゃっとなります。

寸法をはかり、糸で切ってロクロから切り離します。

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もしくは、たたらといって、板状にして成型します。


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湿度を見ながらほどよく乾燥→削り→更にゆっくり乾燥させます。
表面が乾いてきたら、うつわを天日に干し、完全に水分をとばします。

この時点で、収縮率の問題で割れてしまううつわもあるそうです。
 
 

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それらのうつわを、窯にいれるため、棚板に並べて、隅に支柱を置き、その上にまた棚板を置き、うつわを並べ、支柱を置き、棚板を。。。と、窯がいっぱいになるまで繰り返します。

700℃~800℃で、約9時間掛けて素焼きします。


焼き終えて、冷ましたら、下絵付け。そして釉薬をかけます。

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再度、同じ作業を繰り返してうつわを積み上げ、
窯につめ、本焼きに入ります。
本焼きの温度は1250℃以上。焼成時間は12時間~20時間(作家さん、というか、窯によって結構バラバラ)。
完全に温度計にたよるのではなく、炎の具合をみて、作家さんが勘で火を止めます。

数時間かけてさまし、窯から出したら、やすりをかけて完成。
作家さんによって、細かい作業工程や温度は異なりますが、だいたいこんな感じです。


陶器というのは、窯の中では柔らかいので、地震に弱いです。
そこそこ大きな地震がくると、窯の中のうつわがかたむき、くっついてしまうということもあるそうです。

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これは以前、作家さんの元で撮らせていただいた、3.11で、登り窯が壊れてしまったものです。
 
 
以上、うつわがお店に並ぶまでの工程でした。
私はお店が小さいおかげで、自分で窯元に行き、直接見て仕入れ、お客様に先生のことなどもお話できます。

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それはお客様が、おうちに招き入れるうつわが、どんな方によって、どのような技術で、もしくは想いで作られたのかを知ることができれば、そのうつわにもっと愛着が湧くはずだからです。もっと嬉しくなるはずだからです。

そうやって手作りされたうつわは、サイズや形も微妙に異なりますし、窯の中の温度や火の走り方によっても、うつわの色、釉薬の流れ方が違います。
同じものはない、一期一会。

そんなことを感じて、ますます、私が尊敬する作家さんたちの、手作りのうつわに、愛着を持っていただけるといいなぁと思い、今日はこんなお話をしました。
うつわっていいですね。
明日も、楽しい食卓を。
 

 
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