慣れ親しんだものが正解という思い込み
- 2021/06/26
- 23:55
一昨年の1月、映画CATSが日本で公開になりました。私はロンドンやニューヨークで観たことがないので、劇団四季しか知りませんが、予告の時点で、舞台と設定が違うことはわかっていたので、本編を観たら、若干、違和感を持つのかもしれないと感じました。
漫画だって、アニメ化や実写化のときに賛否両論別れますよね。その気持ちわかります。
実際。舞台とは大きく異なりました。どんな素晴らしいダンスも、生と映像では迫力がちがうこともわかっていたので、自分がいったいどんな感想を持つのかも読めませんでした。
主人公ヴィクトリアにはロイヤルバレエ団のプリンシパル、フランチェスカ・ヘイワード。他の役も、同じくロイヤルバレエ団やニューヨークシティバレエ団のプリンシパルが抜擢されました。

生では見ることのできない、世界のトップダンサーを、公開初日、大迫力のスクリーンで、しかもめちゃめちゃ音響のいい環境で見ることが出来たこと、期待や喜び、いろんな気持ちが混ざって迎えたその映画は、世間の酷評とは違い、最高のものでした。
問題点をあげるとすれば、素晴らしいダンスを俯瞰でみてしまうことの勿体なさ笑。
さて、劇団四季から毎回送られてくる会報に、安倍寧さんのコラムがあります。
もともと舞台CATSは1981年、ロンドンでの初演で、ジュディ・デンチという女優さんが、(強いて言うなら)主役ともいえるグリザベラという、娼婦の役をやるはずでした。あの有名なメモリーを歌うネコね。
しかし謎多き事故に2度もあい、降板。当時のジュディ・デンチは47歳。しかしその後、代役となったのは33歳の女優さんだったそうです。落ちぶれた娼婦ネコを演じるにはやや若い気もします。
その1年後、今度はブロードウェイで開幕となるわけですが、そのときのグリザベラ役は35歳。つまり初演の女優さんと同世代の方が選ばれたわけです。
そこで安倍さんが言うには、もしもグリザベラ役を、予定通りジュディ・デンチが演じていたなら、ブロードウェイでもそれくらいの歳の、演技派女優が当てられていたのではないか。
そして、その後世界中で上演されるにあたり、やはりそういった基準で選ばれていたのではないかと。
「オリジナル・プロダクションは、キャスティングの点ひとつとっても、後続プロダクションに対し、絶大なる影響力を持っていると推測できる」(安倍寧氏のコラムより)
なるほど、たしかにそうかも知れません。そしてこれは他のことにも当てはまるでしょう。
もともとは何もないところから生み出されるものなのに「そういうもの」だと自分の頭に無意識に植え付け、そこから外れると違和感を覚えてしまう。慣れ親しんだものこそが「正解」だと思いこんでしまう。
ちなみに、ジュディ・デンチは、映画版でオールドデュトロノミーという長老ネコを演じています。これは舞台版では男性が演じているので「男性が演じる役」という思い込みがありましたが、たしかに女性でも問題ないはず。
また、演出の問題ではなく、ダンスの力で、今まで私が気に留めていなかった役を目立たせた俳優さんもいます(あくまで私の視点ですが)。だから、「こういうもの」なんてものは、覆すことができるということです。
そんな映画CATS。先日お客様にDVDをお貸ししたら、9回も観たのだとか笑
嬉しかったな。
私の好きなものを押し売りするつもりはないけれど、好きなものを共有できる方がいるのは、本当に嬉しいことです。
劇団四季CATSは、来月から福岡へ。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のお店
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

にほんブログ村
にほんブログ村
漫画だって、アニメ化や実写化のときに賛否両論別れますよね。その気持ちわかります。
実際。舞台とは大きく異なりました。どんな素晴らしいダンスも、生と映像では迫力がちがうこともわかっていたので、自分がいったいどんな感想を持つのかも読めませんでした。
主人公ヴィクトリアにはロイヤルバレエ団のプリンシパル、フランチェスカ・ヘイワード。他の役も、同じくロイヤルバレエ団やニューヨークシティバレエ団のプリンシパルが抜擢されました。

生では見ることのできない、世界のトップダンサーを、公開初日、大迫力のスクリーンで、しかもめちゃめちゃ音響のいい環境で見ることが出来たこと、期待や喜び、いろんな気持ちが混ざって迎えたその映画は、世間の酷評とは違い、最高のものでした。
問題点をあげるとすれば、素晴らしいダンスを俯瞰でみてしまうことの勿体なさ笑。
さて、劇団四季から毎回送られてくる会報に、安倍寧さんのコラムがあります。
もともと舞台CATSは1981年、ロンドンでの初演で、ジュディ・デンチという女優さんが、(強いて言うなら)主役ともいえるグリザベラという、娼婦の役をやるはずでした。あの有名なメモリーを歌うネコね。
しかし謎多き事故に2度もあい、降板。当時のジュディ・デンチは47歳。しかしその後、代役となったのは33歳の女優さんだったそうです。落ちぶれた娼婦ネコを演じるにはやや若い気もします。
その1年後、今度はブロードウェイで開幕となるわけですが、そのときのグリザベラ役は35歳。つまり初演の女優さんと同世代の方が選ばれたわけです。
そこで安倍さんが言うには、もしもグリザベラ役を、予定通りジュディ・デンチが演じていたなら、ブロードウェイでもそれくらいの歳の、演技派女優が当てられていたのではないか。
そして、その後世界中で上演されるにあたり、やはりそういった基準で選ばれていたのではないかと。
「オリジナル・プロダクションは、キャスティングの点ひとつとっても、後続プロダクションに対し、絶大なる影響力を持っていると推測できる」(安倍寧氏のコラムより)
なるほど、たしかにそうかも知れません。そしてこれは他のことにも当てはまるでしょう。
もともとは何もないところから生み出されるものなのに「そういうもの」だと自分の頭に無意識に植え付け、そこから外れると違和感を覚えてしまう。慣れ親しんだものこそが「正解」だと思いこんでしまう。
ちなみに、ジュディ・デンチは、映画版でオールドデュトロノミーという長老ネコを演じています。これは舞台版では男性が演じているので「男性が演じる役」という思い込みがありましたが、たしかに女性でも問題ないはず。
また、演出の問題ではなく、ダンスの力で、今まで私が気に留めていなかった役を目立たせた俳優さんもいます(あくまで私の視点ですが)。だから、「こういうもの」なんてものは、覆すことができるということです。
そんな映画CATS。先日お客様にDVDをお貸ししたら、9回も観たのだとか笑
嬉しかったな。
私の好きなものを押し売りするつもりはないけれど、好きなものを共有できる方がいるのは、本当に嬉しいことです。
劇団四季CATSは、来月から福岡へ。
お洋服と和のうつわと珈琲豆のお店
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

にほんブログ村
