青春とは人生のある時期をいうのではなく、心の様相をいう
- 2021/02/09
- 23:57
数年前、日日是好日という映画を観ました。
私ね、抹茶も抹茶碗も好きなんだけど、自分のためや来客時に点てるだけで、きちんと習っているわけではないので、心得はよくわかっていません。
珈琲も大好きで、消費がハンパじゃないので、たとえば今こうしてブログを書きながらも、大量に淹れた珈琲を、大きなカップで飲んでいます。

でもね、たまに丁寧にいただきたいもの。たとえば人様からいただいたお菓子や、お友達のお店で買ったお菓子なんかは、やはり抹茶碗を選んで点てるんですね。そうすると、茶筅を持った瞬間から、なぜか急に時間の流れがかわります。
速歩きはいいけれど、慌てるのではなく、スピードを調節し、耳をすませたり、味わったり、香りを楽しんだりすることも必要だと感じます。
それが、幸せを感じるということに直結する気がするのです。

「1年で1番寒いときに咲く花もあるのね」
日日是好日で樹木希林さん演じる茶道の先生が、落胆する主人公へ伝えるセリフです。
生きていれば辛いこともある。なんとか1日をやり過ごし、明日を迎えるということを繰り返しているうちに、心から笑える日が訪れる。
何もない人なんてなくて、みんな何かしら抱えながら頑張っている。
一昨日、へんなブログを書いたので、お客さまに心配をかけてしまいました。
明確に書くのは避けようと思ったのですが、一昨日大好きな伯母が急逝しまして、一昨日はバタバタと過ごし、昨日は1日何もやる気が起きずに、泣いたりぼーっとしたりしてすごしました。
正直昨夜は、今日、お店で上手く笑顔を作れなかったらどうしようなどと心配していたのですが、いざ行って、いつもどおりの仕事をして、お客様とお話ししていたら、自然に笑えていました。
閉店して、静かなお店で感じたのは、今日1日、普通に過ごせたのは、お客さまと母のおかげだなということでした。母は最近体調を崩しているので、正直今回の伯母の危篤の知らせを伝えるのがとても怖かったのですが、落胆こそしているものの、今日は一緒にお店に行って良かったと思います。
親戚といっても、皆さんそれぞれにそれぞれの付き合いというものがあり、関係が遠くても親しい人もいれば、近くてもそうでもない人もいるかもしれませんが、私にとってのこの伯母は、特別な人でした。
90歳でスマホを持ち、私のブログを毎日読んでくれていました。
FMクマガヤに出演したときには、遠くて普通のラジオでは聴けないので、自分でアプリをダウンロードして聴いてくれました。
お洋服の紹介をすると、私も着てみたいとか、どこかに行ったと書けば、私も行ってみたいとか、本当に私を可愛がってくれて、好奇心が旺盛で、頭のいい人でした。
以前、こんなことを聴いたことがあります。
「青春とは、人生のある時期をいうのではなく、心の様相をいうのだ。逞しき意志。優れた想像力。(中略)年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いがくる。」
伯母はまさにこんな人だったなと思います。
以下、日日是好日より抜粋。
世の中には、『すぐわかるもの』と、『すぐにはわからないもの』の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、何度か行ったり来たりするうちに、後になってじわじわとわかりだし、「別もの」に変わっていく。そしてわかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかったことに気づく。
お茶って、そういうものなんだ。
人生に起こるできごとは、いつでも「突然」だった。昔も今も……。
もしも、前もってわかっていたとしても、人は、本当にそうなるまで、何も心の準備なんかできないのだ。結局は、初めての感情に触れてうろたえ、悲しむことしかできない。そして、そうなって初めて、自分が失ったものは何だったのかに気づくのだ。
中略
だからこそ、私は強く強く思う。
会いたいと思ったら、会わなければいけない。好きな人がいたら、好きだといわなければいけない。花が咲いたら、祝おう。恋をしたら、溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。
幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。それがたぶん、人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。
一期一会とは、そういうことなんだ……。

(一昨年の秋。一番右)
一昨日も書いたけど、愛とは辞書をひいて知るものではありません。誰かが教えてくれるものです。だけど、学校の勉強と違うのは、教えようと思って教えているわけではないことです。
その人はいつも通りのその人で、愛情を持って接して、受け取る側が勝手に学んでいるのです。
ときが流れれば、この悲しみが薄れていくことはわかっています。
だけど、愛情を受けたことだけは、きっとずっと私の中に残ります。
愛情は、ちょうだいと言って、もらえるものでもありません。それはそんな人に出逢えた奇跡で、その人のしてくれたことや眼差しの中に、それがあることを、感じ取れるかどうかです。
Riyon
埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

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私ね、抹茶も抹茶碗も好きなんだけど、自分のためや来客時に点てるだけで、きちんと習っているわけではないので、心得はよくわかっていません。
珈琲も大好きで、消費がハンパじゃないので、たとえば今こうしてブログを書きながらも、大量に淹れた珈琲を、大きなカップで飲んでいます。

でもね、たまに丁寧にいただきたいもの。たとえば人様からいただいたお菓子や、お友達のお店で買ったお菓子なんかは、やはり抹茶碗を選んで点てるんですね。そうすると、茶筅を持った瞬間から、なぜか急に時間の流れがかわります。
速歩きはいいけれど、慌てるのではなく、スピードを調節し、耳をすませたり、味わったり、香りを楽しんだりすることも必要だと感じます。
それが、幸せを感じるということに直結する気がするのです。

「1年で1番寒いときに咲く花もあるのね」
日日是好日で樹木希林さん演じる茶道の先生が、落胆する主人公へ伝えるセリフです。
生きていれば辛いこともある。なんとか1日をやり過ごし、明日を迎えるということを繰り返しているうちに、心から笑える日が訪れる。
何もない人なんてなくて、みんな何かしら抱えながら頑張っている。
一昨日、へんなブログを書いたので、お客さまに心配をかけてしまいました。
明確に書くのは避けようと思ったのですが、一昨日大好きな伯母が急逝しまして、一昨日はバタバタと過ごし、昨日は1日何もやる気が起きずに、泣いたりぼーっとしたりしてすごしました。
正直昨夜は、今日、お店で上手く笑顔を作れなかったらどうしようなどと心配していたのですが、いざ行って、いつもどおりの仕事をして、お客様とお話ししていたら、自然に笑えていました。
閉店して、静かなお店で感じたのは、今日1日、普通に過ごせたのは、お客さまと母のおかげだなということでした。母は最近体調を崩しているので、正直今回の伯母の危篤の知らせを伝えるのがとても怖かったのですが、落胆こそしているものの、今日は一緒にお店に行って良かったと思います。
親戚といっても、皆さんそれぞれにそれぞれの付き合いというものがあり、関係が遠くても親しい人もいれば、近くてもそうでもない人もいるかもしれませんが、私にとってのこの伯母は、特別な人でした。
90歳でスマホを持ち、私のブログを毎日読んでくれていました。
FMクマガヤに出演したときには、遠くて普通のラジオでは聴けないので、自分でアプリをダウンロードして聴いてくれました。
お洋服の紹介をすると、私も着てみたいとか、どこかに行ったと書けば、私も行ってみたいとか、本当に私を可愛がってくれて、好奇心が旺盛で、頭のいい人でした。
以前、こんなことを聴いたことがあります。
「青春とは、人生のある時期をいうのではなく、心の様相をいうのだ。逞しき意志。優れた想像力。(中略)年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いがくる。」
伯母はまさにこんな人だったなと思います。
以下、日日是好日より抜粋。
世の中には、『すぐわかるもの』と、『すぐにはわからないもの』の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、何度か行ったり来たりするうちに、後になってじわじわとわかりだし、「別もの」に変わっていく。そしてわかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかったことに気づく。
お茶って、そういうものなんだ。
人生に起こるできごとは、いつでも「突然」だった。昔も今も……。
もしも、前もってわかっていたとしても、人は、本当にそうなるまで、何も心の準備なんかできないのだ。結局は、初めての感情に触れてうろたえ、悲しむことしかできない。そして、そうなって初めて、自分が失ったものは何だったのかに気づくのだ。
中略
だからこそ、私は強く強く思う。
会いたいと思ったら、会わなければいけない。好きな人がいたら、好きだといわなければいけない。花が咲いたら、祝おう。恋をしたら、溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。
幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。それがたぶん、人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。
一期一会とは、そういうことなんだ……。

(一昨年の秋。一番右)
一昨日も書いたけど、愛とは辞書をひいて知るものではありません。誰かが教えてくれるものです。だけど、学校の勉強と違うのは、教えようと思って教えているわけではないことです。
その人はいつも通りのその人で、愛情を持って接して、受け取る側が勝手に学んでいるのです。
ときが流れれば、この悲しみが薄れていくことはわかっています。
だけど、愛情を受けたことだけは、きっとずっと私の中に残ります。
愛情は、ちょうだいと言って、もらえるものでもありません。それはそんな人に出逢えた奇跡で、その人のしてくれたことや眼差しの中に、それがあることを、感じ取れるかどうかです。
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埼玉県熊谷市別府5-80-3
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日

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