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エアコンの効いた部屋で宮本浩次を聴く

今年の4月。宮本浩次さんソロ初のコンサートツアーがあるはずでした。
私は大宮のチケットを取っていて、埼玉スーパーアリーナもいいけれど、大きすぎない会場の特別感をとても楽しみにしていました。

ところが他のアーティスト同様、コロナの影響で7月への延期が発表、その後完全な中止となりました。

6月12日。バースデーライブがオンラインであったのですが、他の用事とかぶってしまい聴けずにいたら、先日お盆で親戚の家に行ったとき、WOWOWで放送されたものを録画しておいてくれました。



宮本さんは歌い出す前に「嬉しい」と少年のような表情で呟きました(それを聞いて歌う前からこっちは泣きそう)。

求められて、それを提供して、初めてお客さんに満足してもらえる。
どんなお仕事も求めてもらえなかったら、受け取ってもらえなければただの自己満足に終わってしまう。

宮本浩次さんの歌が聴けて嬉しい。胸がいっぱいになる。元気が出る。私が好きな人はみんな熱い。お礼に私も誰かを元気にしたくなる。
受け取ってばかりでは申し訳なくなる。
だけど誰かに喜ばれる「何か」は、自分が(一方的に)渡したいものとは違うかもしれない。

私はミスチルも好きだけど。ミスチルは珍奇男やガストロンジャーは歌わない。桜井さんにそんなことを求める人はいない。
「ロックバンドだからこう」ではなくて、その人その人に求めるものが違う。

私はお洋服やさんであり、うつわやさんでもある。製作はしていないから、唯一無二のものを生み出すことはできない。
だけど、Twitterやインスタグラムなんかで、みわこさんのうつわって書いてくれる方が多くて、それを見ると、私が作ったわけじゃないのになんだか申し訳ないななんて感じることもあるんだけど、でもだからこそ(私が作っているわけではないからこそ)、「私が提案していること」に興味をもち、日常に変化をもたらす何かをそこに見出してくれるのだとしたら、それってすごいことだなって思うわけです。

ミスチルとエレカシの話の後に書くには規模が違いすぎるんだけど、でもそういうことだと思う。「ロックバンド」というくくり、「洋服や」というくくり、「うつわや」というくくり。個性が加わって別の価値が作られる。
そうなるとくくりは関係ない。

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そういえば少し前のMUSICAにこんなことが書かれていました。「ガイアの夜明け」で流れる曲の発注が来たとき、過去の内容を見たら、営業マンだったり石鹸を作る人だったり、いわゆる普通に現場で仕事をしている普通の人達が主人公で、それを見て感激したんです。
つまりこの曲は一番自分に近い、いわば俺の日常そのものであり、それを祝福する曲なんです。
悲しくも美しい、そして美しくも儚いこの日常を、その人生の旅を肯定するっていう、このアルバムの根底のテーマにピタッときた」って。

やけに胸を張って進んだかと思えば、突然自信を失って歩きたくなくなったり、そうかと思えば何かに触発されて走り方も知らないのに走り出したり。で、転んで、また起き上がってみたいな。なんかそんなことの繰り返しじゃないですか、人生って。あ、みんなは違うかもしれないけど、少なくとも私はそんなです。なんかダメダメです。
ナイフとフォークで食べるフレンチじゃなくて、握り飯持ってさあ行こうぜみたいな、つまり、宮本さんが紡げば、とてもシンプルな言葉にすら汗と涙が流れるといいますか。そこに生を感じるわけです。


ライブの最後は「ハレルヤ」で締め括られました。

「敗れし夢のその先にゃあ
ああ涙ぢゃあなく 笑いとともにあれ ハレルヤ」
「ばからしくも愛しきこの日々を
ああ涙ぢゃあなく 勇気とともにあれ
ああ笑いとあれ 幸あれ」

前向きな言葉って、常に前向きな方からは出てこないと思うんです。だからリアル。あまりにも熱いので、私はエアコンを効かせた部屋で観たけど、それでも暑くなりました。

皆さんに祝福あれ。
 
 
 
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