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私が好きな本

暖かくなって、お出かけにちょうどよい気候になりました。といっても、今日は桜に雪が積もっていましたが。

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お花見の宴会予定が入っていた方もいらっしゃるでしょうし、なんで今なんだって思う方、たくさんいらっしゃると思うんです。だけど、いつものコンビニにいったり、通勤で見れる桜は、少しでも心を明るくしてくれますよね。

真冬だったら、もしかしたらもっと悲しくなっていたかもしれない。そう考えると、まだ今は桜がいてくれてよかったんじゃないかなって思います。

時間を持て余している方に、今日は私の好きな本のご紹介です。

家から出るなというのなら、自宅にいながらにして、感性を養っちゃえばいいじゃない?とは、マリーアントワネットは言ってないと思いますが(ちなみに、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」とも言ってない)、個人的にオススメしたい本をご紹介します。

最近は本をあまり読んでいないので、なかなか「好きな本」が更新されるようなこともありませんが、興味があったら読んでみてくださいね。


「たましいの場所」
早川義夫著

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「伝えられるものは本当のことしかなくて、伝わってくるものも、本当のことしかない。
何も伝わって来なければ、何も伝えるものがないのであって、かっこだけが伝わって来るのは、かっこつけてるよということを伝えたいのだろう」


元ジャックスのボーカル、尊敬する早川義夫さんの昔の本です。人は、自分の聞きたいように捉えるクセがあるのかもしれません。だとしたら、「愛」って言葉は、顕著にそれがわかる単語。
簡単に使ってはいけない言葉だと思っています。
歌にしろ本にしろ、この言葉が胸に響く人が、私の中に数人います。その中のひとりが早川さんです。

「難解で複雑なのが前衛的なのではない。
言葉数や音数が多ければいいってものでもない。」


早川さんから、いろんなことを教わりました。心が五月蝿いとき、読むといい本。


「人間失格」
太宰治著

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初めての太宰作品は、小学生だか中学生だかの時に読んだ斜陽でした。正直その頃内容はあまり理解できていませんでしたが、ただ、なんとも惹かれたのです。

朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ」と幽かすかな叫び声をお挙げになった。
「髪の毛?」
 スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
「いいえ」
 お母さまは、何事も無かったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇のあいだに滑り込ませた。



これは斜陽の冒頭部分。没落した貴族。最後の貴婦人の母、主人公かず子。戦争から戻ってきた弟。
弟はすっかり麻薬中毒になっており、東京の上原の家に転がり込みます。かず子は妻のいる上原に好意をよせています。


人間失格のほうはというと、ご存知の方も多いと思いますが、主人公は、はっきり申し上げて、どうしようもありません。どうしようもないのだけれども、人間て、こういう弱い部分あるよねと、なぜか嫌いになれないから不思議です。退廃的な太宰作品ですが、決して暗くなったりはしません(多分。人によるけど)。やはり魅力は文体かな。美しいです。


「銀河鉄道の夜」
宮沢賢治著

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子供の頃、母が映画を観に連れて行ってくれました。そのときはとても悲しく、寂しく、怖かったのですが、大人になって改めて知ると。。。やはり元気は出ません(出ないんかい笑)


主人公ジョバンニは、自宅に配達されているはずの牛乳をとりにいき、いじめっこの同級生たちに遭遇してしまいます。丘の上で孤独に夜空を見上げていると、いつのまにか銀河鉄道に乗っていました。そしてそこには、なぜか友達のカムパネルラもいました。

化石を発掘する人、鳥捕りの人、氷山に衝突して沈んだ船に乗っていたという人、様々な人と出逢います。
「カムパネルラ、   ー中略(ここを書くと内容がわかってしまう)ー   僕はもうあのさそりのように、ほんとうにみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺん灼(や)いてもかまわない。」

そんなジョバンニのセリフが印象的です。

日常にちょっとうんざりしたり、孤独を怖がったり、ちゃんとした「正義」について考えさせられたり。
カムパネルラになりたいけど、なれない自分。いつも「普通」の自分。ヒーローになれない自分。

アメニモマケズで、宮沢賢治は「そういう人に私もなりたい」という言葉でその詩を締めているように、彼自身も、カムパネルラはこうなりたい自分の姿だったのではないかと、私は思っています。


「ポケットに名言を」 
寺山修司著

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これはね、名言集ですので、さらっと読みやすいです。

死なうと思っていた。
ことしの正月、よそから着物一反もらった。
お年玉としてである。
着物の布地は麻であった。
鼠色の細かい縞目が織り込まれていた。
これは夏に着る着物であらう。
夏まで生きてゐようと思った。


これはこの本に登場する太宰の言葉なのですが、この詩を私はこの本で読むまで知りませんでした。こんな生への執着に満ちた言葉があるだろうか、こんな詩を選んだこの本、すごい。

「才能の正体」
坪田信貴著

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人は誰かが成功すると、遡って理由をつけたがる。だから〇〇大学に入学したときけば、「地頭がいいんでしょ」、何かで成功すれば「もともと才能があったんでしょ」と、その人の努力も見ずに一言で片付けられてします。
ただ、坪田さんに言わせれば、才能なんてものは、もともと誰にでも備わっているもの。だからといって、ただがむしゃらにやればいいってものではない。
適した場所で、適した方法により、最善の努力をしたものが、それを手に入れることができる。
短パン社長のオススメで読んだのですがとても面白いです。



「『いいね』を購入につなげる短パン社長の稼ぎ方」
奥ノ谷圭祐著

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手っ取り早く稼げる方法ではなく、むしろSNSという現代の手段を使いながらも、昔から変わらず大事なこと、「人」だからこそできることを教えてくれます。
人と付き合っていくうちに、「何々といえば〇〇さん」と思い浮かぶようになるものです。日々の発信からそのひととなりが見えるから。丁寧に、時間をかけて築き上げた関係は、リアルに会っていなくても強いものにできる。

難しい言葉を使われると、かえって混乱してしまうものですが、話し言葉で誰にでも理解しやすく、「私なら何が出来るだろうか」を考える余地を与えてくれます。心の中の余白を面白いことで埋めたくなります。自分の「好き」は、誰かを豊かに出来るかもしれない。自分の可能性にかけてみたくなる。チャレンジ精神と自信を与えてくれる一冊です。
私は4年半前に著者のセミナーを拝聴、人生が変わりました。その全てではないものの、「お客様7人」からスタートしたご自身の経験から記されているので、なかなか話を聞きにはいけないという方にもオススメです。

「Twitterには「いいね」のボタンしかありません。だからいいねと思ってもらえるような発信をするといいよね」って、いつだかこの本の著者である短パン社長が書いていました。だけど今は、ちょっと覗いただけで、誰かと誰かが罵倒しあっています。それぞれに意見があるのは当たり前だし、それが違うのだって当たり前だけど、もはや議論でもなく、もともとの目的からはずれ、向いている方向が変わってしまっています。

小学生のころ「は?いつ言った?何時何分何十秒?」とかあったけど、そんな感じなのまで目にしました。ちょっとさみしい。みんな不安なんだよね。

早く、便利な情報を得たり、楽しいを共有できる、本来の姿になってくれるといいな。
 

「グレープフルーツ・ジュース」 オノヨーコ著
「星の王子さま」 サン=テグジュペリ著
「こころ」 夏目漱石著

どの本もオススメです。今日はこんなところで、おやすみなさいませ。


 
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