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物語より美しさで楽しめる。利休にたずねよ

もう何年も前の映画になりますが、「利休にたずねよ」をようやく鑑賞しました。


美を求め続けた利休。
中でも私がもっとも感動したものはこれです。

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織田信長への献上品?のため、皆んなが素晴らしい陶器などを差し出しているときに、利休はお重を縁側におき、懐から竹筒を出すと、おもむろに水を注ぐ。

その音もまた柄杓から茶碗に注ぐ音のよう。

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波に千鳥が描かれたお重。張られた水面には満月が映っている。
満月を含めて、ようやく一つの絵が完成したのでした。



また桜のころには、客人にお茶をさし出すと、弟子が窓をあけます。外から少しの風が入ってきたかと思うと、お茶に1枚の桜の花びらが。

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不思議に思い上を見上げると、はらはらと桜が舞い落ちてくる。

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利休は予め桜の枝を天井に飾り、お客様に春を感じてもらったのです。


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またあるときは、和紙に鳥の形の切り抜きが施してある行灯に火を灯します。

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光の鳥は炎によってゆらゆらと。まるで木々で遊んでいるかのように舞うのです。

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またあるときはヘマをして利休のもとを訪ねた秀吉に、お湯の準備をする利休。

「ゆるりと、お待ちくださいませ」

そういうと茶室を出ていきました。ふと目をやると「閑」という書がかかっている。
やがて戻ってきた利休から椀が差し出されるが中身はひえのかゆに梅干し。

それをみた秀吉は、貧しかった幼少期を思い出し、夢中になってかきこむのでした。

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その後、母のことを思い出し、泣きながら振る舞われた茶を飲むのです。

お茶が用意されるまでの間にも、心は静けさを取り戻してゆく。
一杯の茶に、静、そして生を感じるのです。


「私が額づくのは、美しいものだけでございます。」

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気づく余裕を失ったときに、人は美しいものを失うのだ。そう私は思いました。
お重の話が作り話であるのか、そもそもどこまでが本当なのか、歴史に疎い私にはわかりませんが、だとしても利休とこの映画が、「美しさ」というものを教えてくれました。おかげでまたひとつ、穏やかさを手に入れました。
 
 
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