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華美ってなんだろう

華美という言葉は、華やかで美しいと書きます。「華やか」も「美しい」も褒め言葉なのに、ネガティブな単語としてつかわれることもあります。
あるフラワーアレンジメントを見て、ふとその単語が頭をよぎり、ネガティブな使い方をされることがあるということに、妙に納得してしまいました。


たとえば最近、私は少し映画を見るようになりました。映画にもいろいろな種類があります。私が観ているものは大半が自分で見つけたのではなくオススメされた作品なのですが、それらは「感想を求められたら非常にシンプルになってしまうんだけど、実は深くて、適切な言葉が見つからない」という類のものが多い。

なんというか、わかりやすく「悲しい」「嬉しい」という感情ではおさまらないものであるということです。

振り返ったら、ああ、あのシーンにはあの人のあんな感情が隠れていたんだなぁとか、あの人はわざとあんなふうにしたのかなぁとか、見えにくい部分を、観た人が自分なりの想像でつくりあげていくという面白さがあります。そうやって、その映画の奥行きを感じ、あらゆる角度から見て、考えて、感じるということ。

はじめから答えが見せられていないのです。素人はたった一言で感想を言えたりはしないはずなのです。



同じようにお花は、いえ、うつわのコーディネートにもいえることですが、少なくとも私のなかではそういったものが「美しい」と感じるものです。

「豪華」の代名詞に使われるような、ありとあらゆる種類のものは、同じ花器に使いたくない。
お花の数でもなく、色の種類でもなく、バランスがとれていれば、華やかで美しくなる。

その証拠に、世の中には、一見やりすぎに見えて、実はまとまっているものがとても多くあります。それらの格好良さというのは、作った人の中に明確なテーマがきちんとあるからだと思うのです。


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写真は昨年のテーブルウェア・フェスティバルの作品の一つ。ゴールドと赤と黒と緑が使われています。それぞれの色が、喧嘩することなく他の色の引き立て役になっています。

足し算も引き算も、ストーリーが見えていないとできない。そう思います。


昔、千利休は「花は野にある様」としました。自然の風情のままに、投げ入れるものです。その姿は、いわゆる「豪華さ」とは真逆です。
でも、その質素な姿に美しさを見出すことって、とても豊かな行為だと思いませんか。

「綺麗でしょ!?どうだ!」よりも、どんな形容詞がふさわしいか、自分で見つけたい。



お洋服と和のうつわと珈琲豆のお店
Riyon
 
 
埼玉県熊谷市別府5-80-3  
TEL : 048-533-9533
営業時間 :11時~18時
おやすみ:日/月曜/祝日
 
 
 
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Author:Riyon
埼玉県熊谷市。籠原駅から徒歩15分ほど、公園のめぐりにある、珈琲豆と器とお洋服の、小さな小さなセレクトショップ、Riyonです。
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